もちろんでございます、お嬢様2

もちろんでございます、お嬢様2 (ファミ通文庫)

もちろんでございます、お嬢様2 (ファミ通文庫)

読了。

(いいですかダニエル様。打ち合わせ通りにやりますよ)
さあここからが本番。魅惑のショウタイム。別名、みんなで幸せになりましょうの時間だ。


うん、面白い。
どこがどうとは言えないけど、やっぱりこの作者は感情移入がしやすくてすらすらと読める。へたなラブコメによくある「そんな都合のいい考え方しねーよ!」 みたいなこともないし。なんだろうなあ。こういうのを文体っていうの? 思考や言葉のリズムとか。
今回はアンジェリカ側の過去がいろいろと出てきて、やっと血肉が通った感じ。幽霊だけど。

魔法戦争4

読了。
お、おお? 今回はまともに面白かった。なんだ、不自然な戦闘描写がなければ普通に楽しめるじゃないか。今回もまあ、不自然といえば不自然だけど、理屈はついてるし*1
寝不足の状態で読んだのもあってか、時々文章の意味を把握しきれなくて読み返すことが何度かあったけど……なんだかアニメ的な省略されたキャラの動かし方をしてる気がする。いや、単に瞬間移動を多用されて頭がこんがらがってるだけかもしれないけど。


次でようやく話が進む、らしい。楽しみな反面、また変な理屈で手加減されたりしないか不安でもある。




余談。
魔法陣の一覧を見て既刊の表紙とかイラストを見返したら、一巻からずっと魔法陣にちゃんと意味があった事が判明。見開きで魔法発動してる時も、ちゃんとそのキャラの系統の魔法陣になってる。表紙も髪飾りとして魔法陣が使われてるし……。

*1:あと、謎の水着シーンの挿入、後でちゃんと活きてくるんだろうな、これ。完全にテコ入れおっぱい要因なんだけど……。

のうりん 5

のうりん 5 (GA文庫)

のうりん 5 (GA文庫)

読了。

「ねーケイ。早よお風呂に入ってくれんと、お湯が冷めてしまうんやけ…………ど……」
そこで農が目にしたものは――


不自然に盛り上がったベッド。
床に散らばったエロ本。
不審な挙動。
荒い息。


お、おおう……。
もー、卑怯ですよね、こういうのは。完全にギャグを読む体勢でいたのに(いやもちろん8割くらいはギャグでしたが)、不意打ちで真剣な話されるとさ……。色々考えちゃうよね。

猫が好きで、拾った猫画像を集めてたりするけど、そうやって掻い操りかいぐりしてる間にも殺処分はされてるわけで、保健所で担当してる人は、自分たちと同じように無邪気に犬猫を可愛がることが出来ないんだろうな……とか。そうすると、ぬこぬこ言って猫画像やら猫動画やら眺めてる自分たちって……とか。

まあ、愛玩動物経済動物も人のためにあるのであって……というより人のほうが種として強いから、人が都合のよいように動物に価値を設定しているだけであって、そうすると動物愛護も、その価値設定の差でしかないってことになる。可愛いと思うのも、可哀想だと思うのも、役に立つと思うのも、害獣だと思うのも、ぜんぶ人間側の都合でしかない。
だから突き詰めると、306頁「どこまでいっても人間のエゴの対立に過ぎないわけだよ。だってそうでしょ? この子たちは自分の意見を言えないんだから」 ってことになる*1。だから生かすも殺すも、どちらが正しいというわけじゃないし、自由にすりゃいいんだよ……っていうとちょっと乱暴な結論だけど、最終的に『人のため』 って点に還元されるという結論は、コアとして外せないはず。


久しぶりに長文書いたけど、どうも伝わりそうにないなあ……。
とりあえず真面目に書きすぎたので、全体的な感想として↓を置いておきますね。


( ゚∀゚)o彡゚ おっぱい!おっぱい!



参考リンク:
第27回 聖なる夜に・・・:のうりんのぶろぐ
今回も、本編に入れられなかったであろう、ためになる話。
( ^^)<しないよとは - はてなキーワード
堆肥の話で、これが全部出てくるかと思って一瞬戦慄した。

*1:そしてこれは、人間よりも強い種が現れたとき、人間はその種族の経済動物愛玩動物として扱われることを担保してしまうけれど。

英雄伝説 零の軌跡 午後の紅茶にお砂糖を

英雄伝説 零の軌跡 午後の紅茶にお砂糖を(ファルコムBOOKS)

英雄伝説 零の軌跡 午後の紅茶にお砂糖を(ファルコムBOOKS)

読了。
ファルコムマガジンで全部読んだ話で、日常を描いたノベライズといったところ。かる〜い話ばかりで、マガジンで1話ずつ読んでたときは「結構キャラぶれ激しいだろ……大丈夫か、これ」 なんて思ってたものの、まとめて読むとそう違和感はなかった。むしろ、ダドリーの料理ボイスがあったり、本からレシピを覚えて料理を作るシーンや、317頁「ロイドとお寝坊したことも、エリィに絵本を読んでもらったことも、ティオとお掃除したことも、ランディとポーカーしたことも……ぜんぶ、覚えてるから」 は碧エピローグのことだよな……とか、本編の補完にも意外と挑戦してて、「結構しっかり描いてたんだなあ」 と印象が変わった*1
連載はまだ続いてるので、また単行本化するんでしょうか。まあ、そちらも楽しみにしておきます。

*1:あとがきによると、ライトノベル作家海空りくファルコムファンとして協力してたらしいので、その辺の小ネタはその人の仕込みかも、だけど。(そしてamazon海空りくの著書を検索して、「断罪のイクシード −白き魔女は放課後とともに−」 というタイトルを発見して(゚Д゚;) )

イース トリビュート

イース トリビュート (星海社FICTIONS)

イース トリビュート (星海社FICTIONS)

読了。
いやあ、面白かった! なんかもう満足。簡単に印象を述べようとしたら、ストレート・変化球・暴投・ストレート・フォーク(掲載順) といった感じになってしまって、それ、座談会レポ後編(参考リンク参照) の著者たちの思惑そのままじゃん……という。
いや、見事にツボを押さえてますよ。座談会レポ後編で、芝村裕吏は「お約束を詰め込んで並べていったら最終的にパズルみたいになった」 と言ってますが、正にその通り。というか、「ゲーム化しようと企画は持ち上がるけど毎回ポシャる、そんなギリギリのラインのとこを狙って書いた」 とか、「小太刀右京の作品は逆に正統派すぎて本編とネタかぶりしないか恐々としていた」 とか、なんかもう、座談会が面白すぎて、改めて感想書く必要ないよね、ってくらい。あ、フェルガナ断章については、正史かどうか分からないはずなのに、本編を補完しまくってて逆に困る、ってことだけは書いておきます。笑うしかない……!




是非また次回作も期待したいですね。


参考リンク:
5人の豪華執筆陣が「イース」シリーズへの思い入れを語る。「イース トリビュート」刊行記念座談会レポート(前編)
彼のことは……まあ置いておくとして。5名の執筆陣が自身の作品とシリーズの未来を語る「イース トリビュート」刊行記念座談会レポート(後編)

新生徒会の一存 碧陽学園新生徒会議事録 上

読了。
けっこう意外な展開が続くんだけど、しかしよくよく考えれば「このシリーズじゃこのくらい当然だよね」 という感じ。しかしまあ、よくここまで続いたもんですねえ。

六花の勇者3

六花の勇者 3 (スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 3 (スーパーダッシュ文庫)

読了。
面白いなあ。今回は帯の「騎士か、叛徒か。勇気か、暴走か。」 がぴったりの内容だった。更によく見ると「JUSTICE OR PROMISE.」 とあって、騎士と勇気がジャスティス、叛徒と暴走がプロミスとなってて面白い。
一連の顛末をアドレット視点とゴルドフ視点で二度描き、謎提示編、謎解決編となっているわけで、ファンタジーでアドベンチャーなのにもはやミステリ……いや、それは言いすぎか。ともかく、敵の誰も彼もが嘘をつき、味方でさえ心底信じられるわけではないという状況で、次々に起こる危機やイベントが面白くて、グイグイ読ませてくれました。