陽気なギャングの日常と襲撃

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

再読。

「あの時、久遠はロビーでその男の財布を掏った。女の後ろにいた、男の」
「ばれてたんだ?」
(〜中略〜)
「そしてお前は、財布にあれをくっつけて、男に戻したんだな」 成瀬が言うと、久遠は、「そこまで知ってたわけ?」 と声を高くした。

どこまでもまるっとお見通しな成瀬の痛快な一言。久遠が人とぶつかってる文章、初読の時はサラッと読み流してたけど、今回は目に付いたからニヤッとしたw 本当さり気ない一文だよなー。
初読よりは楽しめたかな。主に4人の会話だけど。思えば初読のときはストーリーが気になってたから、その先にある会話の妙を素通りしてた気がする。それに初読のときはほとんど忘れてた久遠の存在も、今回はちゃんと覚えてたし。再読した効果が一番あったのは「響野さん、ぼくのニュージーランドに行ったんだって?」 のくだりかな。NZを荒らされた、みたいな心境が理解できて楽しかったw
それでもやっぱり、ストーリーも会話も「地球を回す」 の方が面白かった、というのは同じかな。「地球を回す」 「日常と襲撃」 を連続で読んだから4人の会話に慣れた、というのもあるかもしれないけど。