曙光の誓い
- 作者: 花田一三六,金田榮路
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 新書
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――ショータロを見ろ。
どんどん変わっていくぞ。
内なる叫びにも従えず、目を伏せてしまう。繰り返される問いに耳をふさぎたくなる衝動だけは、なんとか堪える。
――あたしは、どうする?
少年は約束した。去りゆく父に。命の恩人たる遊牧民に。草原を駆け抜ける馬賊に。逃走と冒険のなか育まれた掛け替えのない友……少女に。勝太郎の冒険が始まる。
なかなか良かったです。
少年少女の成長小説+冒険(インディ・ジョーンズ) 小説といった具合。これで内容の説明は OK なはず(笑)
ただ、最初は主人公の少年があれやこれやと苦悩していく話かと思いきや、序盤で早々に悩みを吹っ切ってしまって(少なくとも表面上は)、後半になると過去の事件を未だに引きずっている少女の方が焦点になっていたり。
123頁「すごくしみるんだ。だから子供が自分で塗ろうとすると、どうしても少ししか塗らない。でも、それじゃ効き目が悪いんだ。だから――」 アッー! かと思いました。ちょっとびっくり。142頁「いつのまにか自分も、理不尽な約束をさせていたのだ」 でもそれを守ろうとしてくれることが嬉しくもあり、みたいな。226頁「別れるには、あと一言、足りない」 で、ラストの一言に続くんですが……まさに「そ れ だ !」 と指をぱちんと鳴らしたくなるような一言。
単発作品なので気軽に手を出しましたが、シリーズ作品までとなるとちょっと足踏み。ドラッケンハイトとかはちょっと気になりますが、やっぱり全5巻予定。どうしようかなあ。