龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01
- 作者: 秋山瑞人,藤城陽
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/05/10
- メディア: 文庫
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あいつはいい奴だ。
そうかもしれない。
俺もいい奴だ。
本当にそうか。
自分の心の奥のそこから先を、禿は直視することができない。
卯王朝、第十八皇女の月華は屋敷を抜け出しては市井を探検する。虐げられる民”言愚” である涼孤は似顔絵描きと講武所の下働きで糊口をしのぐ。”龍” と”剣” を巡る物語が今、始まる――古橋秀之とのシェアワールド企画”龍盤七朝” 第一弾。
じわじわと増していく面白さ。
でも全然ライトじゃないですね、これ……。言葉遣いは江戸時代のものなのか*1、言い回しがなんとも古いです。そんなライトな雰囲気を寄せ付けない中華ファンタジーですが、同時に基本のボーイ・ミーツ・ガールものでもあります。というかミナミノまだー?
まず序章でいきなり回想に入るのですが、この時点で相当に長い。しかもカラーページのキャラクタ紹介にも載っていない人物が語り部で、なんじゃこりゃー、と思うこと請け合いです。
やはり面白くなってくるのは二人の邂逅シーン辺りからですね……。ここで117ページ、1時間くらいかかってます。
この後から印象に残る良い場面が続きます。例えば187頁「では、これまでの三倍の給金を頂きとうございます」 だとか、206頁「なんだか、最初から話が噛みあっていなかった気がしますね」 だとか。短い話ながらもさすが秋山瑞人といった面白さです。ですが……やはりここは、258頁「妾は来る日も来る日もお主のことを考えて」 が一番でしょうか。ニヤニヤが止まりません。
『DRAGONBUSTER』 は2巻で終わりとのことですが、しかし世界観は同じくして『NOLIFEKING』 や『毒娘』、 『DRAGONFLY』 など色々あるようです。これは楽しみ。