アニスと不機嫌な魔法使い

アニスと不機嫌な魔法使い (HJ文庫)

アニスと不機嫌な魔法使い (HJ文庫)

読了。久しぶりのジャケ買いです。というよりタイトルロゴの素朴なところが気に入ったのかな。イラストレータが「さよならピアノソナタ」 と同じ人だというのは、買ってから気づきました。

ぺこり、とアニスがお辞儀をしたとき、ジークとビアンカは鬱憤を晴らすかのように拍手した。
「どうだった? 私、役者になれると思う?」
「うん、やめた方が良いと思う!」
アニスの手を握り断言したジークは、後ろ頭を殴られて転がることになった。

孤児院育ちの少女アニスに、養子縁組が組まれた。「きっと裕福で優しいおじさまね♪」 と妄想を膨らませつつ辿り着いた家に居たのは、アニスと年の変わらない黒髪の少年だった――。


まあ、普通。
なーんかなー、って感じです。悪くはないんですが、特筆するべきこともありません。とりあえず、長々と生きてるくせに短気で不機嫌な*1魔法使いの少年(ツンデレ?) と、ワケありで養子に出された少女(天然) の二人がメインですね。早々にアニスには膨大な魔力が秘められていることが判明しますが、魔法を使う素質はなく……みたいな話です。
上の引用文だったり、152頁「油断したところを穴に落としたり」 とか、アニスのアホの子っぷりは中々面白いですし、206頁「降参、するわ……殺さないで」 の一瞬の緊張感とか、第九幕「アニス、目覚める」*2なんかも中々良いんですが……いかんせん、全体的にパワー不足なのは否めません。普通です普通。


まあ次に期待ですかね。今は本棚がパンク気味なので、買い控える可能性の方が高いですが。

*1:『誰かのリビングデッド』 だったら、「ただの物凄い馬鹿だ」 って言われてますね。

*2:ネタバレすぎて吹いた。