Wizard -Daily Fairy Tale- / -Passion Fruit-

Wizard―Daily Fairy Tale (幻狼ファンタジアノベルス)

Wizard―Daily Fairy Tale (幻狼ファンタジアノベルス)

Wizard―Passion Fruit (幻狼ファンタジアノベルス)

Wizard―Passion Fruit (幻狼ファンタジアノベルス)

読了。



面白かったです。
Wizard と呼ばれるハッカーと、その相棒 Dreadnought が繰り広げるハッキングなお話。Wizard が実は引きこもりの天才少女ハッカーで……ってところまでは流しましたが、ヤクザが頻繁に出てきて(祖父が組長) おもむろにドクペを飲み始めたときは突っ込まざるを得ませんでした。ちょっと被りすぎじゃないですか! ……まあニート探偵なハッカーとは違って、こちらは活力に満ち溢れてますし、相棒も器用貧乏ではなく、天才的に器用といったところなので、グダグダ思い悩むシーンとかもなく全体的にスッキリ爽やかな印象でした*1。その辺りはラノベとノベルスの(僅かな) 差異なのかもしれません。
上巻と下巻だったらしく、Dairy Fairy Tale のほうが人物紹介的な短編集、Passion Fruit のほうが続く長編になってます。どちらも面白く、常にふざけている相棒の Dreadnought がなかなか楽しませてくれました。それに、下巻の終盤では少しうるっと来ましたね。この辺り、ゲームの「英雄伝説」 シリーズのお約束、”作中で知り合った仲間が危機に駆けつけてくれる” を思い出しましたね。こういう王道展開は、その過程をしっかり描かないと成立しないもの。そういう意味でも、やはり面白かったと思います。


そして、作者の別作品の派生キャラが主役になったのがこの本だということを後書きで知ったり。アップルジャックも買うべきなのか……。買うべきなんだろうな。

*1:それに、ハッキングだけで解決するのではなく、現実の力と結びついてこそという意味で超法規的なヤクザが使われる、という穿った見方も出来ますが。