極北からの声―フルメタル・パニック!サイドアームズ〈2〉

読了。

すべてはあの攻撃ソナーだ。
はるか彼方から響いてくる甲高い反響の音。世界最強の艦の発令所に立ち、難しい局面に出会ったとき、私の脳裏に響くのはあのソナー音なのだ。
『私はまだ戦える。力を貸してほしい』
大海のただ中で聞こえてくる声は、いつも私にそう訴えている。

フルメタはシリアス長編で軍事モノ、コミカル短編で学園モノと分けられてるんですけど、これはむしろシリアス短編。話の焦点は宗介との出会い、テッサとの出会いとなってますが、実際はカリーニンとマデューカスの渋いおっさんどもが主役という。


「極北からの声」
――カリーニンと宗介の出会い。フルメタ世界が80年代後半まで現実と同じ軌跡を辿っている、という設定のせいか、戦争の話が妙に現実に沿った凝った作りになってました。あとボン太くんはかなり古くからあるキャラみたいで、ミッキーやドラえもん並の長寿キャラらしいw
「<トゥアハー・デ・ダナン>号の誕生」
――マデューカスの過去と、それに繋げてテッサとの出会い。「踊るベリー・メリー・クリスマス」 でも見せた熱い潜水艦戦が繰り広げられます。うん、ここがこの巻一番の見所かな。ちび宗介とかちびテッサとか本当どうでもいい。
あとは世界観の設定の裏付け。前にカリーニンが宗介に「この技術の進歩を不思議に感じたことはないか? ASなんて10年前は想像も出来なかったシロモノだ」 くらいのことを言ってたと思いますが、それはウィスパードが一足飛びで次元を引き上げたから、ということらしい。
「大食いのコムラード」
――明らかに前2つの話とテンションが違う、コミカル短編に近い話。「終わるデイ・バイ・デイ」 で出てきたベンガルタイガーとの出会い、ということでここに挿入されたみたいです。が……そんな虎出てきてたっけ? 宗介が虎を戦友としてかばうところはいい話。


余談。
あとがきで出てきた「ちなみにクロイさんは京アニさんにいる猫さんです」 と言ってますが、それはドラグネット・ミラージュ (竹書房ゼータ文庫)に出てきた猫・クロイのことかーーっ!! とか。