ムシウタ 05.夢さまよう蛹

ムシウタ 05.夢さまよう蛹 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ 05.夢さまよう蛹 (角川スニーカー文庫)

読了。やっぱりbug短編より燃えるな。

『キライに決まってんじゃん! あたしの話なんてちっとも聞かないし、無謀なことばっかりするし! 今までのアリア・ヴァレィの中でも、一番の問題児だよ! 一心同体になっちゃったあたしの身にもなってよね!』
意地悪なアリアが、むきになって言う。
『千晴のことなんて、だいっキライだよ! これからもずっと、キライなまんまだね! いつまでたっても、ずーっとキライなんだからね!』
千晴は顔を上げた。
涙はもう、消えた。
「うん、そうだね。ずーっと……あたしの中に、居ていいよ」

4巻からの強烈な引きを継いで、千晴と大助の過去を回想しつつ異様な展開を見せる現在、な5巻。


うん、面白かった。
過去パートでは大助が虫憑きになる過程が描かれ、現在パートでは記憶を取り戻した千晴/それを知った大助が描かれ、その両方がある場所に収束していく。
千晴と大助のアレコレは勿論だけど、やっぱり茶深が良い味を出してるなあ。自分が主役だと思ってる奴を脇役に引き摺り下ろす脇役、小物には小物なりの戦い方がある、みたいな。


あと、1文だけどbugシリーズ関係が出てきてあぁやっぱり読んどいて良かった、と思った。1文だけど。