リリアとトレイズⅥ 私の王子様

読了。けっこう内容覚えてるな、と思ったら今までのは3月-5月発刊だった。

『お嬢様。いえ、マティルダ王女殿下。謹んで申し上げます。例えねら――』
トラヴァス少佐の声を途中で遮って、ベゼル王室の王位継承権第一位の王女は、重々しい口調で言う。
『古より戦の先陣を務めし、勇猛の誉れ高きトラヴァスの騎士よ。――姫の護衛を立派に務めるというのなら、姫の行く場所がどこであろうとついてくるがよい。止めはせぬぞ』

列車の中で起こった事件のために、トラヴァス少佐一行とリリア・トレイズたちは切り離された。しかし襲いかかる”囚人四十二番” の影は未だ衰えず……クライマックス・エピソード下巻。


うん、満足。
親よりもトレイズが活躍してる、っていうその一点でもう満足。……ただアリソン3巻にはやっぱり劣るかなあ。まあ、アリソンシリーズは序章で壮大な伏線を張って驚かせるのが常套だったから、その辺りのサプライズがない分、見劣りするのも仕方ないか……。いやまあ、リリアとトレイズを親視点で見てるのは楽しいんだけどさ!
そして”トレイズがヘタレに終わった” というか、むしろ以前にも増して極みに近付いた気がするよ! (※重大ネタバレ)他人にばらされた上に「よく分からないんだ!」(※重大ネタバレ) ってちょっとお前……っ! いや、うん、まあ、ここまで来たらそれが一番な気もするけど、バッチリ決めたのも見たかった……。
あとは、60頁「それで仇討ちの連鎖は終わる」 というトラヴァス少佐の覚悟が、”家族に危害が及ばないだけじゃなく、家族が連鎖に囚われない” ためでもあった、というのが今更ながらに物悲しい……とか。


短編が、最後の顛末が載ってるかなと思いきやそんな方向!? みたいな結末だったりして、やっぱり続きが見たいかも。まああるとしても来年か……。



私的メモ。
・上巻を見たらメグミカが王室マニアだったり。そういやそんな話もあった。
・ジャガイモの好みが薄切りなのは……。
レイルトレイサー……。
・たぶん、愛用の中型拳銃を拾いに行ってて現場にいなかったな。
・下巻の帯に

自分の将来、国の将来、そしてリリアのこと、この春休みに僕は
ひとつの結論を出した。

というのが書いてあって、どこかで見たことあるな……? 上巻の序章かな? とか思ってたら

自分の将来、国の将来、そしてリリアのこと、この春休みは僕にとって
重大な意味をもつこととなった・・・・・・。

上巻の帯だった。帯って作者自身が書いてたっけ。