うさぎの映画館

うさぎの映画館 (電撃文庫)

うさぎの映画館 (電撃文庫)

読了。

「楽しそうな道だから、通りやすそうな道だから、歩き甲斐のありそうな道だから。道そのものだけを見て決めれば、いつか後悔する。他の選択肢があったはず、どこかで岐路を間違えたってね。でも、ひとかけらも後悔のない選択ができる人間なんているかな?」
そこで言葉を少し切る。
「大切なのは道じゃなく、そこを歩く自分自身だ。後悔する可能性を含め、それでもその道を選ぶ決意と意志を持つのが大事だと、個人的には思う」

静流はよく夢を見る。寂れた商店街の中、ぬいぐるみの「はーさん」 が構える映画館で、何とも知れぬ映像を見る夢だ。しかし、春休みのある日、雲井進という少年に出会うことで、夢に波紋が広がっていく……。


うんうん。なかなか。
……といっても、「面白い!」 ってわけじゃなく、全体的に悪くない + 所々が少し突出して良いって感じ。特に引用文はピンポイントでヒットした*1。あと242〜250ページも。
読後感は、爽やかな気分だったり、鳴海のアレに「うそーん」 って言いたい気分だったりして好印象。でも個人的には、キャラクタが遠慮しまくりというか、「あ、どうぞどうぞ」 「いえいえ、どうぞどうぞ」 みたいなやり取りが好きじゃなかったかな。でもまあこれくらいは許容範囲か……。


続編って意味じゃなくて、続いてほしい。全然売れなさそうだけど……。


余談。
私は口絵のイラストと文章を真っ先に見る方なので、この本も当然……

あれ?
ふと既視感が湧いた。
どこかで見たことのある顔のような気がした。

 
イース・オリジンか……っ! 気付かなかった。電撃で言えばむしろキーリだけど。

*1:たぶんジョジョ第五部の「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だ」 のせい。「大切なのは〜」 ってフレーズだけで反応してしまう。