螺旋の国の3ドリル

螺旋の国の3ドリル (HJ文庫 と 3-1-1)

螺旋の国の3ドリル (HJ文庫 と 3-1-1)

読了。帯の「貫けええっ!」 に魅かれて衝動買い。ムシウタ9だけ買うはずだったのに。

「ど、どうしてもモデルがいるなら、わ、私、考えなくもない、けど」
やりたいんだか、やりたくないんだか。竜一はじっと翠を見詰め、改めてそうされると恥ずかしそうに人形で身を隠そうとする翠に、内心では「それでモデルが務まるか」 と思ったものの、口にしたのは別の指摘だった。
「委員長をモデルにして、皆さんの希望にそうかな?」
内と外を間違えた。

すべてを貫く無敵の螺旋。人はそれを『ドリル』 と呼ぶ。モデラー少年・宮寺轟/海城竜一、そしてドール大好き少女・今居翠の3人は、突如現われた螺旋の怪獣と共に「螺旋の国」 へと召喚されてしまった!


まあまあ。面白くなくはなかった。
『螺旋を描くと推進力が増幅される=ドリル最強』 という世界に召喚されてしまって――というような話。
最初の方こそ、一人称と三人称が混ざったような地の文で、違和感を覚えてたけど、次第に気にならなくなったかな。でも中盤からは話がよく分からない方向へ、というか、方向とかじゃなくてそのまんま分からなかった。『何の話をしてるんだ?』 と思うことが何度も何度もあった。情報の断片だけで、冗長性が少ないというか、推測はつくけど確信はできないというか。
序盤のうちは、異世界に召喚された身でありながら買ってきたキットや発売予定の模型の心配をしたりとかで、オタク的なマイペースさを発揮するのが面白かったりしたけど、中盤になると話がよく分からくなってきたこともあって微妙な感じに。
あ、でも220頁「自分でも否定したかったが」 あたりは中々良かった。関係ないけど、作る側の『恋愛要素入れときゃ面白いだろう』 みたいなコメントは嫌いだけど、実際あった方が面白いのは事実だったりするのが悔しい所。


あ、ドリルに関する情熱とかは全然シンパシー沸いてこないのでスルーで。螺旋が最強な世界観とか、お嬢様の縦ロールな髪型を見て「ドリル」 が思い浮かぶ主人公二人、みたいなのは好きだけど。