図書館戦争

図書館戦争

図書館戦争

読了。

「その意気やよし!」
もちろん声の主は玄田で、堂上がぎくりとそちらを振り向く。一体何を言い出すつもりか、とあからさまに咎める視線は玄田は気がつかなかったように無視して子供たちに向き直った。
「お前らに大人のケンカを教えてやる!」

「メディア良化法」 が施行されてから三十年……図書を検閲し、少しでも基準に違反した本を見つけては一方的に押収する『良化特務機関』。その検閲権に対抗し、「図書館の自由法」 に則り徹底的に図書を守る『図書隊』。お互いの諍いは激化の一途を辿り、武装化されたその抗争はいわば「戦争」 であった。


面白かった。
連作短編形式、といった所でしょうか。あとがきで言われるのは「月9連ドラ形式」 ですが*1。まずその設定からして興味深く、いったん「メディア良化法」 に反発を覚えてしまえば、もう既に作者の思う壺。気が付けば読み進む手が止まらない止まらない。
97頁「クマ殺し笠原」 とか、引用文の辺りとか、331頁「欠点と切り捨てたものを全部後生大事に抱えて」 とかが印象深い場面ですかね。3つ目のは不覚にも、ハチクロの匠と巧の、もぞもぞとしたスーツの絵が思い浮かびましたw


キャラクタのほとんど全員が魅力的であるのもポイント高し、な図書館シリーズ。分厚いのがネックですが次も楽しみ。




余談。
古本ですが、帯を切り取って栞のように挟んであったり、新聞に「図書館戦争」 の記事が載ったときの切抜きがあったりして、心憎い演出。演出?


余談2。
中表紙のキャラクタのイラストは、上下ひっくり返した左から、手塚/玄田/堂上/笠原/小牧/柴崎 でしょうか。手塚と小牧は微妙ですが。

*1:こういう場合の月9以外の表現を聞いたことがないですが、月9ってのはどういう意味を持ってるんでしょうか。どうでもいいですが。