悪魔のミカタ666 3 スコルピオン・デスロック

読了。

「……なぁ、こんなこといわれたおれの気持ちがわかるか? おれに先輩は渡さない、だと!」
「コウ、さん」
「わかるってのか? この気持ちが! この、先輩のこと、好きなのに、それを奪われるのはつらいはずなのに、相手が小鳥遊だと思うと、女の子同士だと思うと、あれ? なんかいいなぁ、ちょっと見てみたいなぁ、なんて思ってしまうおれの気持ちが!」
「わわわかりたくもありませんよ! そんなもん!」

ついに日炉理坂高校の体育祭――「紅白祭」 が始まる。イハナと菜々那の生徒会長の座を賭けての選挙でもあるそれは、もはや既にスポーツマンシップが云々、選挙が云々という話ではなく……『熱血化』 の末に何が起こるのか? スコルピオン編・クライマックス<上>!


満足。まさに求めてた通りの面白さ。
いやー、上下巻なので、来月まで貯めて一気に読もうかとも思いましたが、やっぱり読んでしまいました。そしてやっぱり超・興・奮。『熱血化』 した生徒のうねりが、生徒会長の演説のときの気持ちが、涙が出るほどに伝わってきます。そして選手宣誓――。この盛り上がりは異常ですよ。いや異常なんですけど。
1巻から続くアレな状態ももちろん健在で、一段ステップアップしてクラスの女の子などでは”料理人(笑) ”視点になれるコウも、小鳥遊やイハナ相手だとその視点に立つわけもいかず……って感じですかね。というか小鳥遊の揺さぶりが強烈すぎますよ。
午前の部・最終種目の借り物競争でも、まぁまぁお約束の展開に笑いつつ……その後の”急な落ちっぷり” がもう素敵。ひとり”冷血化” していくコウ、……なのかな? この辺りはまだぼかされていて、どっちとも取れそうですね。というか本当に伏線多すぎるよ! 下巻だけで解決してくれるんでしょうか……。少し、いやちょっと、いや半々くらい、不安です。


ページ埋めのための掌編「ホミンの報酬」 もなかなか、笑ってしまうような、でも本人たちは真剣、な状況だけど、最後の一文がこれまた痺れます。ああもう本当面白い。下巻まだー?




余談。
イラストがなんだか違和感なくなってきました。あまりの不評にイラストレータが昔の絵に戻そうとしたけどタッチを変えるのが結構難しく、その妥協点が今の絵、みたいな邪推をしてしまいます。どうでもいいですね。