バッカーノ! 2002【B side】 Blood Sabbath

読了。積読がなくなりかけ。出費を抑えてきた成果ですが、妙に落ち着かないのも確かです。

「あの笑顔を与えてくれるなら、きっと手品は君を裏切らないよ」
「……」
「だから君も……手品を信じ続けるといい」

豪華客船「イグジット」。姉妹船の「エントランス」 が『仮面職人』 たちに乗っ取られる中、イグジットではまた別の事態が起こっていた。同じように乗り込んでいた『仮面職人』 の別働隊。赤と黒を基調とした服を着て、とあることを崇拝する宗教団体。そしてエルマーやナイルといった『不死者』 の面々……「イグジット」 と「エントランス」 がすれ違うとき、何かが起こる。


うん、まあまあ……ってちょっと!
再現するのはフライング・プッシーフット号の事件ということで、またもや様々な人物が色々なことをスピード展開していきます。冒頭は関係のない別々の話から始まって、だんだんと一つの船上に収束していく様は、面白いとしか言いようがありません。2,3ページでくるくると視点が変わっていくあたりなんかは、もうかなり興奮です。
ただ所詮は模倣というか、1931のあの、15パズルの高速解答みたいな感動はなくて、むしろルービックキューブをシミュレーションで高速解答されてる感じ。つまり、展開が広大すぎて良くわかりませんでしたと。もしくは、口絵で”ヒューイ(だよね?)” が言ってる通り、アイザック&ミリアのトリックスター役がいないせいかも。偶然の出来事が複雑に絡み合った結果、丸く収まっちゃったって感じじゃなくて、意図的に解決しようとした結果、その通りになっただけって感じ。
ただ「余章B」 があまりにあんまりな展開で、「やっぱバッカーノ面白い!」 と頷かされてしまうのがまた、流石と言うしかありませんねえ……。本当。


次の巻からはシリーズとして「転」 の時期に入る感じで、まさにどれほど「転」 がっていくのか、今から楽しみです。




余談。
A-side の副題が Bullet Garden で、 B-side が Blood Sabbath なんですが……これって、サヴェジ・ガーデンとブラック・サバスですか。……って、よく見たら今までのサブタイって全部アレですか? ……気づくのが遅すぎる。