ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・ふぉー
ROOM NO.1301―しょーとすとーりーず・ふぉー (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 新井輝,さっち
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/01/15
- メディア: 文庫
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その時が来たのなら――それを時々考える。
嫌でも私は家に帰らねばならない。だが、それがわかってる以上、私としても嫌なまま帰る気はなかった。
あの十三階から出て行かねばならないことはわかってる。だからこそ私は考えてしまう。
どうしたら、あの場所に納得して別れを告げられるのか?――と。
本編では語られないエピソードを綴った短編集・4。
そこそこ面白かった。
でもあとがきが一番面白かった。まあ短編集でも雰囲気は変わらず、いつもどおりってことですよ。本編と比べてエロさが薄いのもいつもどおり。まあ本編は健一メインなので。今回は五話とも語り部が違います。
「僕と綾さんと千人の千夜子ちゃん」 ……健一。そういうのって本人の記憶だから、たとえ裸になったってどっか別の記憶を引っ張ってくるだけだと思うよ。あるいは想像か。……想像するだけでも申し訳ないのかな?
「私とお嬢様とメガネなお仕事」 ……咲良*1。狭霧がお嬢様な性格をしてるけど、こんな印象じゃなかったような。咲良視点ってことかな。
「私と圭一郎と恐怖の館」 ……蛍子。終わりの方の会話がなんとも微笑ましい。
「私とエリさんと嫌でも目立つ自分」 ……鈴璃*2。エリさんが仲間はずれにされてたのは、やっぱり前代の幽霊マンション関連かな。
「私と有馬君と病院での出会い」 ……刻也。有馬のりんごのくだりは不覚にも泣きそうになった。この巻で一番好きな話。
やっぱりこのシリーズの魅力は、エロだけじゃなくて、指示代名詞の多い会話を淡々と綴ってることですよ。まあその会話も、なんとなく理解、って程度にしか分かってませんが。