樹海人魚

樹海人魚 (ガガガ文庫)

樹海人魚 (ガガガ文庫)

読了。

「いいか、ザネ。誰も答えは教えられない。みんな自分で見つけるんだ。いや……見つけようともしないで、何もしようともしないで、気づいた時にはどうしようもない。そういうヤツをな、グズって言うんだ、グズ!」

強大な力で街を破壊し、ひとびとを殺し、そのうえ何度死んでもよみがえる恐怖の存在――“人魚”。人間はその怪物を撃退し、飼い慣らし、“歌い手”と呼ん で同類退治の道具としていた。


うん、やっぱりわからない。
前回読んだアリフレロの方がまだマシ――だなんて思うのは、読む前のハードルというか期待値の問題だと思いますが。アリフレロが意外と読めなくもなかったので、更に「樹海人魚で読みやすくなっている」 という評判から、ちょっとハードルを上げすぎていました。個人的には今作の方が微妙です。
絶対的に読みやすくなっている、といえばそうなんでしょうが……感覚として、なまじ普通の小説の範疇なおかげで、「真っ当な内容」 というレベルから見れば、相対的に今作はショボすぎる、ということになります。
ただまあ、ところどころに挟まる妙にシュールな会話(主に桜井) とかは好きですよ。やたら頬を染めたり耳を赤くしたりするヒロインとかも。……この辺りが「真っ当な内容」 というレベルに引き上げている要因でもありますが。


まあ何が分からないって、一番分からないのはあとがきですが。この作者が感覚的に書くとこんな感じになるんですね……。一端を垣間見たような気がします。