ベン・トー サバの味噌煮290円

ベン・トー 1 サバの味噌煮290円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 1 サバの味噌煮290円 (スーパーダッシュ文庫)

読了。タイトル買い。でもサブタイなしの「ベン・トー」 だけの方がインパクトあったと思うんだ。

先輩は笑顔で囁くように言う。
「面白いな」
「他人事だからそう言えるんであって、肉親となるともう……ね」
先輩はその長い指先で僕の額をツンと軽く突く。
「いいや、お前がさ」

ビンボー高校生・佐藤洋はある日ふらりと入ったスーパーで半額シールを貼られた弁当を見つける。それに手を伸ばした瞬間、嵐のような”何か” に巻き込まれ、気づいた時には床に倒れていた――。


おお? 割と面白かった。
あらすじ紹介に「庶民派学園シリアス・ギャグアクション!」 とか書いてあったのを見つけて、地雷臭がプンプンしてるなー、と思ったけど購入済みなので後の祭りです。「しりあすぎゃぐあくしょん」 はハードル高いだろ……常識的に考えて……と思いましたが、意外に成功してたように思います。ギャグは面白かったですし、シリアスは半分ギャグみたいなもんです。残り半分は、読んでて身体が昂揚してくるような熱さ。
49頁「温かいソイジョイによって僕は真のジャズマンとなり」 や、78頁「喜びはその後の絶望を際立てる最高のスパイスだ」 の親父話など、笑えてくる話はいっぱいあったんですが……やっぱり白粉の”剣道部の男たちがいると頬を染めつつ匂いをかぐようなBLっぷり” がなかなか強烈でした。特に”自分が狙われてる” 感覚は……*1。そんなこと言いつつも、254頁「できればその、初心者なので手を繋ぐところからでも」 が可愛かったりするのは反則だと思います。


あとがきの編集裏話が面白かったので、編集長の実話も見てみたかった気がします。次も期待。




余談。
読む前は「290円は確かに安いけど、250円均一の元気や*2があるしな……」 とか思ってましたが、サバの味噌煮は実においしそうで、ああこれは確かに580円の弁当だ(じゅるり……) と反省しました。豚の角煮もうまそうだった……。


余談2。
登場人物紹介で、石岡君とか、1行しか出てこない従姉妹が載ってたりするんですが……どう考えてもデスクリムゾン(※youtube) です。本当にありが (ry

*1:女性たちは男性のエロ妄想をこんな風に受け止めてるかと思うと、身勝手な話とも思いますが。

*2:ご飯が足りない程のおかず量で、からあげだけでもご飯が消費できて漬物の処遇に困ったぐらいです(というよりお米の方が高いんでしょうが)。わりとおいしいんですよ? →参考 http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/02/250_3.html