優しい煉獄2 騒がしい死者の街
騒がしい死者の街―優しい煉獄〈2〉 (トクマ・ノベルズedge)
- 作者: 森岡浩之,小菅久実
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/02
- メディア: 新書
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「女の子にライフルをプレゼントする趣味はないぞ」
「だれも買ってくれなんていってない」
「それなら、いったいなにを期待したんだ?」
「弾ぐらいは買ってくれるかな、と」
ここはVRNWS、電子的な死後の世界。その中でも、昭和末期を模した下部世界だ。「珈琲が冷める」 「雨に濡れる」 など、技術が進むにつれ不便になっていく、馬鹿げた世界でもある。犯罪チケットが販売され、この街唯一の探偵である俺は忙しくなってきたのだが――。
うん、面白い。
要は「仮想現実を現実に近づけていく」 という話で、どんどんと不便に、面白おかしく世界が変容していく様を見て楽しむ、といった具合です。
SFハードボイルドと書いてありますが、やっぱりハードボイルドというより、ふんにゃりハードボイルドな感じです。ゲンさんや優月とのどうでもいいような会話は面白かったりするんですけどね。紫織さんは、最初はいい人だと思ってたのに、”縛り始めた辺りから怖くなって” きたり。
あと、「1巻からユリアって登場してたっけ?」 とか思いましたが、最後の「獣たちの渡る橋のたもと」 になるころには主人公と同様に愛着が湧いてきて、ラストではイイハナシダナー(;∀; ) なんて思ったり。
文庫はどうしようかな……。立ち読みで済ませてもいいんですけど。
余談。
「獣たちの渡る橋のたもと」 で、タイトルの意味に最初は気づかなかったんですが、210頁「彼らは虹の橋を渡るだけだ」 で「ああ」 と思い出しました。そういやそんな話がありましたよ。→参考(ネタバレ&音量注意)