さよならピアノソナタ 2
- 作者: 杉井光,植田亮
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 文庫
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「……あ」
そのとき、唐突に、ぼくの頭の中で曲がわきあがった。
先輩の歌の後ろで鳴っている、ぼくらのサウンドが、聞こえた気がした。思わずベースを握り直す。そのせいで、言葉は途切れてしまった。
ぼくがそのとき真冬に言おうとしていたことは、大切な、ほんとうに大切なことだった。そのときに言葉にするべきだった。そうすれば、ぼくらはすれ違わずに済んだかもしれない。
夏がやってきた。メンバーが四人揃って迎えたはじめての夏。真冬は相変わらずとげとげしくて、バンドの練習もしっくりこなくて……そんな夏のある日、部長である神楽坂先輩が「合宿に行く手筈ができてる」 と言い出した。
おお、失速せず。面白かった。
正直1巻だけでまとまってると思ってたので、読む前は期待半分・不安半分でしたが、そんなこともありませんでした。これならニート探偵より長く続いても大丈夫そうな気がします。*1
親父がボケまくりだったり、先輩が突き抜けてたり、青春ってこんな感じ? という、あまり1巻と印象が変わらない*2ので特に書くこともないんですが……172頁「正直うらやましい。
やっぱり専門用語はさっぱりですが、関係なく楽しめるものですね。今回も作者による曲目解説があります。「結婚行進曲」 と言われてもメロディが出てこないような人にも安心の、音源つき紹介です。