シフト 1 ―世界はクリアを待っている―

読了。

「ここで折れたらロックは一生後悔する。ここでも現実世界でも」
「……そんな簡単に」
「そうかもしれない、きっと簡単なことじゃない。けれど、それでも――現実がどうとかじゃない。できるかどうかじゃなくって――あなたが、そうしたいんでしょう? 違う?
あたしは、誓うわ。ロック。――負けない、、、、

眠ると向こうの世界へ「シフト」 する――子供たちに起こる、RPGのような世界への移動を、そう表現した。そんな法律も何もない子供達だけの世界で、赤松祐樹「ラケル」 は、とある事情から隠遁生活を送っていたが……。


あっれ、面白い。
というか正直に言うと、エピローグは泣いた。いやー、本当、ハードカバーで既に二回読んでいるので、自分でもおっかしいなあとは思うんですが。なぜか面白い。
理由を考えてみると、細部をさっぱり忘れてたりとか、冒頭からいきなり加筆文が入ってたりとか、スキルラーニングっぽい新設定が追加されてたりとか*1……そういう所よりもむしろ、三度目にしてようやくリズムが掴めたってのがぴったり来るかもしれません。なんとなく前二回はブツ切りの印象だったような。あ、あと、「悪魔のミカタ666」 以降の、読点の多い会話になってるので、雰囲気が変わってるというのもあるかも。


さて、ついに文庫が出てしまいました。シフトのハードカバー版って、四六版よりでかくて意外と邪魔なんですよね……。うーん。とりあえず次も期待。




余談。
挿絵つきになったわけですが、ラケルがデフォルメされててちょっとがっかり。もっと生々しい感じを想像してたんですが。あと変身後が変わりすぎてて笑った。

*1:ハードカバー版涙目。