オトナリサンライク
- 作者: 竹岡葉月,八重樫南
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/07/30
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 70回
- この商品を含むブログ (42件) を見る
「なあ。そんな旦那みてえな立場の妖精が、万が一、万が一もし指輪や靴を作らなくなったとしたら……旦那はなんて言ってやる?」
旦那はふんと鼻を鳴らし、今度こそ可愛そうなものでも見るみてえに水平線へ目を細めた。
『黙って酒をおごって肩を抱くくらいじゃの』
「キーチ・シキシマ。あなたを三ヶ月の保護観察処分とします」 ……そんなことはどうでも良かったが、三ヶ月間のゴミ拾いが嫌で適当に選んだ「奉仕活動」 は、
うわああん、面白い。
なんかスウィートスポットを的確に撞いてくるんですよおおお。これはもうどうしようもありません。――読み終わってから振り返ってみると、面白かった場面があまり思い出せなかったりするような、勢いのある展開ではないんですが、実際に読んでいる時は、なんかこう、じんわりと沁みてくるんですよね。噛みしめるタイプの面白さですよ。
73頁「あなたのカンは正しい。そして私のカンもきっと間違っていない」 プロローグ〜第1話は文章が固くて、というか読書のリズムがおかしくて*1、いまいち乗り切れなかったんですが……この間章あたりから面白くなってきました。190頁「………………ばかみたい」 そして第3話がすっごくいい。この顔! 顔!*2 242頁「そろそろ俺もさ、ちょっとは強かに生きてみよーかと思ったんだ」 これも良かった。なんか、返しの台詞としては勢いがないんですが、でもこの台詞自体がその意気込みの証明なんですよね。