別冊 図書館戦争 2

別冊 図書館戦争〈2〉

別冊 図書館戦争〈2〉

読了。

「言っただろ、昔の俺はお前みたいな奴だったんだよ」
「って、例えば?」
「そうか、例えばが聞きたいか。そうだなぁ、これは入隊してからの話になるが、一年目の外部研修――って、関東圏のよその図書館いくつか経験する研修があってな。俺は茨城市立図書館に配属されてたときにたまたま近くの本屋で良化隊の検閲にぶつかって、」
「あっ、その先はいい! ごめんなさいすみません!」

図書館革命(4巻) のエピローグから、少しだけ続く、図書館戦争シリーズ・スピンアウト2巻。


後味悪いよ! 旦那さんに同意だよ!
というわけで、図書館戦争。正直、有川浩のベタ甘はもうお腹いっぱいで、「ラブコメ今昔」 どころかこの本も買わなくていいかなー、とか思ってたんですが、うん、読んでみたらやっぱり面白かったです。堂上夫婦はもちろんですが、まさか”名前くらいしか覚えてない緒形” の話があるとは! しかも他のと比べると控え目な話になってて、わりと好きです、このエピソード。玄田の還暦話がなかったのが残念ですが、この話で最後にちょっとだけフォローされてたので、推して知るべしですかね。
で、3分割されたメインエピソード「背中合わせの二人」。なんかもう、アレですよアレ、としか言いようがないんですが、そのための仕込み、つまりきっかけとなった事件がエグいことこの上ないのですよ。もうほんと、あの程度のエピローグでは相殺しきれませんよ。旦那さんGJ!


186ページあたりの軍曹・郁のピシャリとした言い方が爽快でした。さて、これにて完結、作者の別シリーズはやっぱり食指が伸びなさそうですが、それはそれとして、楽しませてもらいました。どうもありがとうございます。