さよならピアノソナタ 3

さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫)

さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫)

読了。

「……ユーリが」
声が、かさかさの喉に引っかかって、痛い。
「ユーリがぼくに、いつかの仕返しだって。あいつは、すごいヴァイオリニストだし、真冬と一緒に、これからも――いい録音いっぱい残してくんだろうし、そうしたら真冬はバンドなんてやっている時間もなくなっちゃるだろうし、ぼくみたいな……」

はじめてのライブを終え、息をつく暇もなく二学期のイベントシーズンを迎える。合唱コンクール、体育祭、そしてフェケテリコ初の単独ステージとなる文化祭――。民音の面々はときに敵として、ときに仲間としてしのぎを削りあう。そんな折に現れたのは……。


こ こ で 終 わ り ! ?
思わずズコー、となってしまいましたが、面白かったです。爆発の前の”溜め” だと思って、厚み的にもうちょっとあると思って読んでたら、また残りは電撃文庫の紹介だよ! 紛らわしいよ!
それにしても、”先輩が立場的に一歩退いてる” のが残念です。前回で急に参戦してきたので、ちょっと期待してたんですが、まあ流れ的にそこに落ち着くわなー、といったところ。”千晶も千晶で、応援” してしまうタイプだし。255頁「……『好き』 って、つらい――よね?」 とか完全に自分のこと言ってるのに、全然伝わってなくて不憫すぎる。
119頁「ナオくんナオくんだめだよ、モノローグがせりふで出てるよっ」 付箋貼ったところを見返したら哲郎がボケるシーンが多かったです。やっぱ「さくらファミリア」 よりこれくらいの方が好きなんですかね……。194頁「選・手・入・場ォーッ!」 バキを思い出したのは私だけではないはず。311頁「だれかのために、弾こうなんて、そんな気持ちが、あったなんて」 ベタだけどここはちょっと感動。


主人公が鈍感なのは変わってませんが、進歩はしましたよね。……続くもんだと思ってましたけど、ここで終わりそう? まだ冬verの表紙が残ってますよね? ――次も期待。




余談。
前半は電車の中で読んでましたが、後半は家で作者サイトの曲目解説からyoutubeの動画で曲を聴きつつ読んでみました。ネタバレにならないよう、スクロールも慎重に。
で、その結果はというと……えっと、書かれてる文章は一瞬で読み終わるのに、曲は5〜10分あるんですよ。さっさと読み進めても曲は流れっぱなしなので、もうそのシーン過ぎたよ! って言いたくなりました。しかも全然耳に入ってこないよ! 全然だめだよ!
というわけで、聴きながら読むというのはちょっと難しい注文でした。あ、でも体育祭での「Born to Run」だけは、聴きながら読んだ方がいいと思われます。これだけは、雰囲気が伝わってきます*1。それに曲がかかってるシーンも長くて、演奏が先に終わってしまうくらいですし。

*1:つまり他の曲は雰囲気すら伝わら (ry