“文学少女”と恋する挿話集 1

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)

読了。

近いうちに、この場所で、彼女をモデルに絵を描こう。
頬をぱんぱんにふくらませて、三つ編みの先を振り立てて出てゆく仔猫を、あたしは晴れ晴れとした気持ちで見送った。
きっと、そのドアは、いつか夏へ通じる。

短編集。


面白かったです。
「”文学少女”の今日のおやつ」 などの、時系列が本編中の話や、遠子先輩が1年生のときの話、本編終了後の話など。おやつやサイドストーリーのような、3頁「きっともうずっと以前から〜彼女に対する様々なものが芽吹いていたのだ」 ということが垣間見える話もいいですが、やはり「その後のお話」 というのが嬉しいですね。本編とエピローグの間を埋めるような話や、芥川くんと美羽のその後など、気になっていた話が盛りだくさん。まだまだ”文学少女” の世界が楽しめるようです。
そして今回いちばん衝撃的だった台詞は、53頁「裂けちゃって大変なのよ」。やはり清楚でもなんでも、本読みというのは耳年増にならざるを得ないのですね……!


しかしそうはいっても、本編の余韻が残るのは3巻くらいが限度でしょうか。それまではせいぜい、楽しまさせてもらいます。