夢の終わりとそのつづき

夢の終わりとそのつづき (創元推理文庫)

夢の終わりとそのつづき (創元推理文庫)

読了。

「考えてることがあるなら、柚木さん、言葉で説明しなさいよ」
「君がドレスアップしたらどれぐらい美人になるか……」
「はーあ?」
「俺の考えてることなんか、どうせ、そんなもんさ」
「冗談はやめなさい」
「夢子、俺の目を見ろ」
「あなたの目は形が冗談なのよ」

警視庁を辞めて8ヶ月、絶世の美女が事務所を訪ねて来た。ある男を1週間尾行するという簡単な仕事に、200万円の報酬。怪しみながらも依頼を受けたものの、尾行3日目にして男は新宿の公園で餓死してしまう――。若き日の柚木草平を描いたシリーズ第5弾。


面白かったです。
やはり久しぶりに読むと癒されます。なんというか、ライトノベルのフィクションたっぷりの話も良いんですが、たまにこういうのを読んで思考の偏りを解消するのが良いのかもしれません。電車の中で読んで片道60ページしか読めないのも新鮮です。普段は80〜120くらい。
しかし、既刊と比べると柚木の行動にどこか違和感があって(会話はいつも通りですが)、おかしいなあとは思っていたんですが、「別の主人公だった『ろくでなし』 を柚木シリーズとして全面改稿」 だそうです。それはそれで、逆に凄いなと思いますが。
以下コメント。69頁「事件と夢子という、ダブル迷路に迷い込んで」 ダブボケ……っ! 145頁「そういうレストラン、本当は加奈子じゃなくて」 うはw 332頁「草平さんは約束した、だから男らしく、責任とりなさいよ」 この辺りも「いくらなんでも、これは……」 なんて苦笑混じりになりますが、まあ単発作品の名残りですかね。


ついつい一気に読んでしまうので、次はゆっくり楽しみたいです。その後は電撃の新刊かな……。