誰もわたしを愛さない
- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/09/11
- メディア: 文庫
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「わたしは麻生さんみたいに美人じゃないですけど、性格は素直だと言われます」
「そんなことは俺が決めるさ」
「わたしの性格なんか柚木さんには分かりませんよ」
「性格のことじゃない。君が美人か美人でないかは俺が決める……そういう意味だ」
春の訪れとともに、担当編集者が変わった柚木草平。行きずりの犯行と思われる女子高校生殺人事件に気乗りがしないものの、原稿料アップにつられルポをひき受ける。メガネ美女の新担当、エッセイスト、おなじみ吉島冴子に娘の加奈子と、次々現れる美女に翻弄され、さらに女子高校生にも圧倒されつつ調査を進める柚木。哀しくも、周到に仕組まれた事件のからくりとは。シリーズ第六弾。
面白かったです。
やっぱりこっちの方が違和感ないですね。「夢の終わりと〜」 は、捨て身の脅迫だったりタックルだったり、わりと無謀なところがあったので。よれよれの中年に危険な駆け引きやアクションは似合いませんよ。
以下コメント。62頁「俺の頭からすべての思考を吸い取るような目」 そんな目線されてえええ。171頁「結局パパは、逃げるわけだよね」 これで小六か……。あれ、よくよく考えると、加奈子って小三くらいのろりぃなイメージが……。199頁「午後には知らん顔でラブホテルにくり出す直海の神経は」 純情で呑気なオヤジ……ですね。225頁「そうですか、わたしに対しては、調節したわけですか」 こういうスイッチって卑怯だと思うんですよ!
新人編集の直海が登場して、冴子、加奈子、知子のトライアングル・ロックから四面楚歌に。直海がどこまで健闘するのか、次も楽しみです。