空ろの箱と零(ゼロ)のマリア
- 作者: 御影瑛路,415
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/01/10
- メディア: 文庫
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「ずいぶん待たせたじゃないか、愛しのハサウェイ。窓際でお前を待つだけが取り柄の、スプーンより重いものを持ったことのない脆弱な私をよくもまあ待たせてくれたな。まさか27753回もの間、たった一人で戦場へ放り出されるなんて思ってもいなかったぞ」
「私はお前を壊すために、ここにいる」 3月という中途半端な時期にやってきた転校生。息を呑むほどの美女が突きつけた言葉は、突然の宣戦布告。すべては始まっていた――。
うーんうーんうーん……なんとも! 言いがたいです!
三年ぶりの新刊。前作もなかなか突飛でしたが、今回もまた理解しがたい文章が頻発。前後の文章を見ても意味がよく分からない、というのもありますが、叙述トリックというか、"ひっかけ" が重層的に施されているので、そこでも躓きました。話の流れが二転三転、どころか五転も六転するので、「あれ? この文章はどういう意味?」 で止まってるとすっごい時間がかかると思います。
で、理解度80%くらいで読み進めて、終わってからもう一度軽く読んでみると、やっと全体の流れがわかりましたよ。こうして俯瞰で見てみると、やっと面白さが見えてきたかな? という感じです。
それと、あとがきでは「自分なりにエンタテインメント性を高めてみたつもり」 とありますが、もしクラスメイトとの会話の応酬がそれなら、シリアスな雰囲気との差がありすぎて上滑りだったと思います。単体で見れば楽しい会話ですし、こんなの書けたんだとも感心しますが、さすがに雰囲気が合わなさすぎます!
最終的な印象としては、楽しかったではなく、興味深かったの意味で「面白かった」 かなー、という感じです。一応、6:4くらいで「YES」 ではあります。