学校の階段の踊り場
- 作者: 櫂末高彰,甘福あまね
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/03/30
- メディア: 文庫
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「いい加減にしてください」
教室で、傲然とこちらを見下ろしながら放つ一言。
「一体いつまで遊んでいるつもりですか?」
箒を手に、廊下でこちらを睨んでの一言。
「からかわないでください」
体操服姿で、振り返りざまの一言。
「怒りますよ」
正門前で鋭い視線を突きつけての一言。
短編集。
なかなか面白かったです。
読む前は、「短編でもどうせまた階段レースだろ」 とか想像してましたが、ところがどっこい日常話でした。やはり走ってばかりじゃ飽きますからね。全部で5話が収録されてますが、一番良かったのは第五話「盂蘭盆会」。次点で第二話「夜明けの階段」 かな。以下かんたんに各話コメント。
第一話「女神委員会」……こいつらプレゼン能力高いなー。強いられてやるのとは訳が違うってことですね。
第二話「夜明けの階段」……お泊まり会@祭りの後。友人同士で迎える徹夜明けの妙なテンションが懐かしすぎます。
第三話「プリンはどこへ行った?」……あとがきでも言ってますが、バレバレですよね。146頁「プリン、ひとつ貰っていくわね」 で確定ですが、それより前の時点で予想がつきます。
第四話「サンタ同盟」……228頁「すんごいドスの利いた声で『サンタだ』 って言ったのよ」 想像したらシュールすぎて吹いた。
第五話「盂蘭盆会」……祖父母宅@お盆。浴衣を着て亡父のアルバムをめくるところとか、いつまでも手を振って見送ってる所とか、なかなかノスタルジックでした。とくに後者はクリティカル*1。
2話と5話を見ると、なんだか”美冬エンド” っぽい? まあ”希春エンド” になるとは思ってませんでしたが、決着がつくとも思ってなかったので。次で最終巻。期待です。
*1:私の家は盆暮れに親戚一同が集まるので、小さい頃はその度にこの気分にさせられました……。