戦う司書と絶望の魔王

戦う司書と絶望の魔王 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と絶望の魔王 (スーパーダッシュ文庫)

読了。

そんなはずがないと、ニーニウは思う。誰もが言っていることだ。ルルタは恐れず、ルルタは迷わず、ルルタは挫けない。ルルタは人の域を超えた大英雄であると。誰一人疑うことはない、当たり前のことではないか。
そんなわけがない、ありえない、絶対にありえない。
「……私は、子供を探しているんです。ずっとこの街で生きてきた、男の子です。その子は、誰にも助けてもらえず、ずっと一人だったんです」

ついに動き出した「天国」。武装司書たちは完全に無力化し、終焉へのカウントダウンがはじまった! かつて世界の救世主であったルルタ=クーザンクーナ。そのルルタが世界を滅ぼす理由がついに明かされる――。


面白かったです。
ついに出た続編。前巻がもう1年半前で、人物紹介のハミュッツの欄を見て「ちょ、ネタバレ ! ? 」 と焦るほど忘れていたので、奥の棚から引っ張り出して*1きて軽く読みました。そういや前巻は、まさかの展開にかなりの引きで終わってたんでしたね……。まあ”この巻も全く同じ引きで終わる” んですが! ほとんど時系列が進んでない!
以下コメント。109頁「ルルタに言われなくても、僕は」 ここでちょっとうるっと来たんですが、この章の最後で見事に引っくり返されましたね。同時に「なぜ救世主が堕ちたのか?」 という謎に惹き付けられましたね。246頁「君と僕、二人がいれば世界を救える」 ここでもいい感じに感動してたんですが……やっぱり引っくり返されましたね。それも最悪の形で。”虚構抹殺杯アーガックス” なんてすっかり忘れてましたよ……。312頁「……行く果ては、絶望の荒野でございますよ」 うわあああああああ。面白い、面白すぎる……。絶望の魔王はこうやって生まれたんですね。


ラストではまさかの引きと、そして”彼” の登場。今度こそ、これが最後の希望。果たして――というところで、次巻が出ることを願いつつ。

*1:この頃はまだレーベル・作者順に棚にしまってましたが、今はもう……。棚から棚へ移し変える作業が膨大すぎて諦めました。