狼と香辛料 12
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/08/10
- メディア: 文庫
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ロレンスが怯んだのは、もっと現実的な、ある種の予感があったからだ。
さもなくば、ほとんど商人としての本能が、理性とは別のところで勝手に思考をくみ上げていたのだろう。
その瞬間、ロレンスはフランがなにを言おうとしているのか、わかったのだ。
「神をも恐れず、機を見て利益を得、人のつながりを巧みに操ると、聞きましたよ」
ウィンフィール王国を出たロレンスたちは、北の地の地図が描けるという銀細工師に会うため、ふたたび港町ケルーベに渡った。だが頑固で偏屈と聞くその人物から、地図を描くための条件が提示され……?
うん、まあまあ。
既刊と比べると生命の危機とか経済の危機とかが無い分、緊張感に欠けるのは仕方ないですかね……。まあ会話というか、登場人物の複雑な駆け引きややり取りはいつも通りの面白さなので、その辺りはOK。まあ、そうそう大波乱ばかりでも陳腐なので、これくらいの小イベントもたまには良いかな……と思ったり。
以下コメント。160頁「今度はそれを見たぬしからあふれ出てしまうかもしれぬ」 汗、いや、よだれ……駄目かな。186頁「かりかりしておったのはわっちだけ。やりすぎたと気に病んでおったのはあの小娘だけ」 私も鈍感でした……。283頁「ぴったりとあとをつけられ、部屋に入る」 なんだか無言のこの動作が妙にツボでした。
そういやニョッヒラにワクワクしてたのは何巻ごろだったかな……。温泉シーンはどうなった。次も期待です。