PSYREN ─サイレン─ another call 1 紅蓮の聖誕

PSYREN-サイレン another call -小説版 1 紅蓮の聖誕 (JUMP j BOOKS)

PSYREN-サイレン another call -小説版 1 紅蓮の聖誕 (JUMP j BOOKS)

読了。

「はっははっ……はははっ……」
ボタボタと額から血を流しながら、影虎は笑っていた。己への、自嘲の笑みだった。
「なっさけねぇなぁ……オレはよお……」


意外と悪くなかった。
(前説)もう私はPSYRENが好きで好きで、今出てるジャンプコミックスの中でこれだけは買ってるんですが、それがノベライズともなれば買わないわけにはいかない。でも不安が……という原作ものに付きものの一連の流れを味わったあと、覚悟を持って臨みました。
いや、繰り返すことになりますが、悪くなかった。内容は「雨宮&アビス」 「影虎」 「フレデリカ」 「弥勒」 にフォーカスを当てた四篇に分かれているんですが、「雨宮&アビス」 の話で一行使って「バキャ ! ! !」 なんて音でオチが説明されてたりして、そこで急激に挫折しかけました。しかしそこでふと『これは少年漫画のノベライズなんだ』 と気付き、細かいところは気にせず漫画を読むような感覚で読んでいったら、違和感は消えていきました。オッケーイ!
基本的には本編の補完をする話で、「あの時こんなことがあった」 って感じですが、最後の「弥勒」 の話だけは弥勒のスタンスを見せていて、単なる悪人というだけではない描写が面白かったです。あと文中に現れる歌詞をググったら、「ローレライの歌」 というものをアレンジしているようで、よく読めば研究所の主任とやらが言ってました。そ、そんな当たり前の知識なのかなこれ……?


「フレデリカ」 の話は正直うるっとしました。ノベライズとしてはなかなかの出来だったのではないでしょうか。another call 2 にも期待できますよ?



余談。
買った本屋では、隣に並んでいた同時発売の「ぬらりひょんの孫」 のノベライズは10冊弱あって、これは1冊っきりでした。平積みでもないので、売り切れた末の冊数ってこともなし。これがアニメ化の力か……!