天冥の標 1 メニー・メニー・シープ 上下

読了。

「……愚かでした」
「ん?」
「クレヴは愚かでした。そのような意味が、言葉に二種あることをわかりませんでした」
「あれ、おまえ、皮肉ってなんだか知ってるの?」
少年が驚いた顔をした。なぜ驚かれるのかわからないまま、クレヴはうなずいた。
「それは嘘です。愚かな者に嘘をついて、信じているのを見て笑うのです」

「僕に、やれって?」
「そうだ」
「《海の一統アンチヨークス》 と《恋人たちラバーズ》 と――人間と機械と、その他なんもかんも背負いこんで、戦いを続けろって?」
「そうだ!」


なんじゃこりゃあ。
どう見ても1巻です、本当にありがとうございました。これ完全に序の口だわ……。とりあえず、上巻で3つくらいの話を並列させながら進行させて、それぞれ大きいところを目指しつつ、下巻で領主の秘密へと向かう……という感じですね。上巻から領主が”シェパード号を起動させようとはしてない” ことが分かるので、その秘密を明かすためだけの上下巻になってるのがちょっと残念。とはいっても、そこに至るまでの過程、圧政に対する下克上を起こす様子は面白く、特に石工たちの被虐からの感情の発露は「もうちょっと、もうちょっとだ!」 と応援したくなるほどでした。


さて続きをさっさと読みたいところですが、今は「続きが出ていない本は後回しにするモード」 なので、しばらく置いておこうかと思います。といっても全十巻予定らしいので、いつかは読み尽くすでしょうが……。