されど罪人は竜と踊る Assault

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

3ヶ月遅れて読了。やっぱり読むのに3日ほどかかった。

「俺には、ストラトスの絶望が一部分だけ分かる気がして恐ろしいんだ」
胸中で溜まっていたものが、俺と言う器の縁を越えて溢れだした。
「その場その場を楽しく、などといくら連ねていっても、ある種の人間には無意味なんだ」
愛も友情も、どこかで計算に転じる。今この瞬間の思考と言葉でさえも。

黄金時代とも呼べるジオルグ事務所時代の始まりと終わりを書いた短編集。
戦闘シーンは相変わらず眠いけど、期待してたギャグ部分も大いにあって楽しめて、エロ描写が予想外に多かった……そんな感想が吹き飛ぶほど切ない過去話だった。
黄金時代の終焉が具体的に描写されてないせいで、読者がガユス視点に立ったときに『その状況でその行動を取る気持ちはよくわかるよ。仕方ないよ』 という言い訳が一切できず、全てがガユスの「俺の所為だ」 に収束せざるを得ないところがまた拍車をかけて切ない。黄金時代の人たちもみんな良いキャラしてるし、特にストラトスがいいキャラになってきたところで終わったのは残念だなあ。
ここでまた1巻から読み返すとガユスとギギナ、加えてクエロの印象が変わって面白いだろうな。まあ面倒だし多分しないけど。


あと、クエロをクロエと間違うのは読んでる真っ最中でも同じだった。クロエの方が舌触りいいんだよなぁ。