半分の月がのぼる空〈8〉

読了。

僕は突然、学校の保健室が病院に思えてきた。まだ里香は退院してなくて、僕も同じように病院にいて、亜希子さんは怒鳴り散らし、夏目は意地悪で、多田さんは看護婦さんのお尻を触ってばかりで――。
違う。
ここは病院じゃない。

「雨 fandango」 を含む半月短編集2。再びソル・デ・レイ・ケブラーダが光ります。
本編終了後の巻としては上々の出来じゃないかな。実質の本編エピローグを最初に持ってきて、その後に時系列がバラバラの短編を持ってくることで、本編終了で感じた余韻をうまく消化してると思う。
「もう終わりなのか……もっと読みたいなあ」 から「ああ、終わったんだな」 という風に移行した。私は「これで終わりなの? もう続きはないの?」 っていう終わり方があんまり好きじゃないから、こういうのは、なかなか良いなぁと思った。