戦う司書と恋する爆弾

戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)

読了。

ずっと、遠くにいると思っていた。手の届かないどこかにいると思っていた。
コリオが何をしても、コリオが何を言っても、届かないところにいると思っていた。
そうじゃない。あの子はここにいた。
コリオのことを見ていた。
コリオとともに生きていた。

面白い!
本当、何でもっと早く読まなかったんだろう? 2巻出てる時点で存在は知ってて興味もあったのに、後回しにしてしまった。結局は4巻で荒木飛呂彦の推薦文があるって聞いて再燃したんだけど。


死んだ人の記憶が『本』 になって発掘される世界の話。主人公は『本』 を回収・管理する武装司書と、『本』 の中の300年前の人物に恋をしてしまった人間爆弾。要するにそれが「戦う司書と恋する爆弾」 ってわけです。簡単ですね。
他にも魔法やら神話やら特殊能力やらと、ファンタジィ色たっぷり。でもまあ、それらはあくまで小道具で、重要なのは『本』 。『本』 に触れるとその人物が見ていた映像が見えるのです。要するに人の一生を撮ったビデオテープ、というわけですね。


で、名シーンというか、読んでる途中で「あ、これは面白い展開に向かってるぞ」 と思わず唸らせたのが上記の引用文です。『本』 を読んでその中の過去の人物に恋をした主人公が、重要なことに気付く場面。ここでかなり惹き込まれました。この文章だけ見れば死んだ人に対してのありがちな言葉ですが、ちょっと違うんですねえ。実は幽霊でそばにいた、とかでもないですよ。
とりあえず2巻は購入決定済み。でも主人公の片方がアレしちゃったので、2巻がどうなるのかがちょっと不安かな。