銀盤カレイドスコープ〈vol.2〉

読了。

<いいかい、タズサ。失敗したら人生おしまい、って思ってるなら、その時点で既に、君の負けだよ。たとえ明日、たまたまミスなしで切り抜けられたとしても、ね>
「……ネタ切れってわりには、言うわね、相変わらず」

五輪に向けてハードな練習を重ねるタズサだが、マスコミはそんなタズサに関係なく不愉快なことばかりを問いただし……が序盤のあらすじ。


前巻と比べてコメディは少なく、記者会見や監督との舌鋒くらいか。まさに舌を巻くほどの回転の鋭さで次々と言い負かしていくのは爽快。
そしてシリアス。記者会見のときの謂れのない誹謗中傷に対する苛立ちもそうなんですが、演技前のドキドキ感も最高レベルで伝わってきます。ものすごく緊張して、でもそれを乗り越えて「やるしかない。腹を決めろ、自分」 みたいな、緊張感の一歩先にあるものまで伝わってきます。ううん、こんな緊張は久しくしてないなあ。



2巻で一応の区切り、というか2巻が当初の暫定完結巻で、ここで人気がなくて打ち切りになっても綺麗な終わり方だよ、な構成になってます。一応今は7巻まであるということで、次の話がどうなっていくのかが気になるところですが、残念ながら古本待ち。6巻はあるんだけどねぇ。