ルナティック・ムーン

読了。

捲し立てるように、叫んだ。
「……なんでだよ! 嘘だ。嘘だ。嘘だ。母さんのことも、僕のことも、それから……あのことも、全部僕に嘘をついていた! 隠し事をしていた!」
自分に起きていた不条理な出来事の一切を、父親にぶつけるように。
(中略)
父親は――トマージは。
しかし。
「お前には、関係のないことだ」

古本で買い揃えて放置してたのでそろそろ読んでみようかな、と。レジンキャストミルクを先に読んでるから本スレも見てるんですが、時々ネタバレがあって、まあとにかく1巻から鬱全開らしい。……と知ってしまっていたので、無意識では衝撃に備えてたんでしょう。1巻からヤバイよ、と。
しかしあっけなく決壊。いきなり唯一心を許しかけた友の裏切りと、”暴力で屈服させる父” と”共にそれに耐える姉” との相姦だなんて。早いよ! もうちょっと引っ張ってからだと思ってたのに。
でも読み進むにつれそんな鬱も真っ当な理由があったというか、そういう考えなら仕方ないかもと思えたせいか、それほどダメージは残らず。あとシュシュのケモノ寄生は蜂に傷を負わされた時点でフラグ認識ですし、名前の有無あたりの話は普通に良い展開だったりして、ある意味では期待はずれだったかな。普通の小説としてはまあまあ期待通り。
あと上の引用文あたりが面白かったかな。特に最後の台詞は……言い訳するもんだと思ってたから、完全な不意打ちでした。


うん、悪くはないんだけど、これならレジンキャスト1巻の方が良かったかな、くらい。まあ、さっさと読んでしまいたいものです。もっとも最終的な展開のネタバレも知ってしまってるのがちょっと不安ですが。