εに誓って

εに誓って (講談社ノベルス)

εに誓って (講談社ノベルス)

読了。同窓会の行き帰りで消化し始めた。ああいう場にライトノベルは何となく持っていきづらいから、積読して久しい本にも手を出すおかげ。そう考えれば行事もそれほど悪くはないかも。

「国枝研究室へのお土産なら、ちゃんと別に買ってありますよ」
「東京ばなな?」
「ええ。じゃあ、それ、二人のお土産ってことにしてもいいですから」
「あ、それもねえ、なんか誤解を生みそうな気がするなあ」 自分でしゃべりながら、どんな種類の誤解なのか遅れて想像した。それ自体が誤解である。

最初に思い浮かべたトリックを、読んでいく内にいつの間にか否定してたけど、やっぱりそのまんまだった。前もあったなあ。まぁ思いついたってのは、状況から判断したわけじゃなくてミステリとしての予想なんだけど。
内容としては可もなく不可もなく。シリーズが全部面白いわけはないので特に不満はないんだけど。そういえば森博嗣ってこんなのだったな、って思い出す感じ。εの登場人物たちの独特の考え方や世界の捉え方にも森博嗣らしさを再確認できた。それと、φθτεで、段々と真賀田四季の露出が多くなってきた気もする。あんまり覚えてないから自信ないけど。
あとは細かいところで会話が面白いのもいつも通り。量が少ないけれど、そんな会話ばっかり書かれてる森博嗣の本ってのも想像できないな。それとP233の矢野繁良の台詞が伏線っぽいのが気になるなあ。解読する気は起きないけど。