初恋よ、さよならのキスをしよう
- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: 文庫
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「せっかくの休みだというのに、脅かさないでくださいよ。柚木さんのせいで子供がひきつけを起こしたら、もう仕事は回しませんからね」
「無茶を言うなよ。その女の子が十八になったら、ちゃんと嫁にもらってやるから」
「どっちが無茶なんですか。あたしの家庭を崩壊させないでください。となりでもう女房が逆立ちしていますよ」
「どういう家庭生活をしてるか知らないが、その女房、俺が写真週刊誌に売り込んでやってもいいぞ」
オーストラリア旅行の代わりに連れて行ったスキー場で、柚木は高校の同級生で初恋の君・卯月実可子と再会する。
これは面白いw
何がってそりゃ、10歳の娘にタジタジの38歳中年の図が。141頁「わたしもスキー場で会った女の人のことはママには言わないから、パパも安心していいよ」 とかがいい例で、思いっきり手玉に取られてる状態。「別居中の妻 ≧ 同じく娘 >>> 主人公」 とかそんな感じ。
普段は女性に軽口を叩いていて、何か会話するにしても自然に相手を誉めるフレーズを使って話すという、まさに「女たらし」 な主人公なわけだけど、そういう主人公が焦る姿が……ってこれ1巻の巻末解説と同じこと言ってるな。ああ。……まあいいか。
タイトルよりかは甘酸っぱさというか懐古的なものは感じなかったけど、それは自分が38歳でないからそうなのかも。
余談。
語感が似てるからか、私がイメージする、森博嗣の保呂草潤平の姿と被ってる。女性に関する病気とかその辺は全然違うけど、なんというか、雰囲気が。黙々と調査をする感じ。