カクレカラクリ

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

読了。

「特に、魚が釣りたくてここにいるんじゃないんだ。川の流れを眺めるのが好きでね、でも、なにも持たないで、ずっとここにいると、上を通る人から不審がられる。だから、一応竿を持ってくるんだよ」
彼が手にした竿を引き上げる。糸が引っ張られ、水の中からなにか飛び出してきた。それを磯貝が片手でキャッチする。手を広げると、小さな石ころが糸に結んであった。
「生きていくためには、いろいろと、そういった偽装が必要だ」

カクレカラクリとはつまり隠れ絡繰りのことで、天才絡繰り師が「120年後に動き出す」 と言って村のどこかに隠した絡繰りで、今年がその120年後なのだとかそんな話。


軽めの森博嗣、と言った感じ。
他の1冊完結のはちょっと癖があるし、森博嗣の本を読んだことがない人に勧めるのに最適かもしれない。でも森博嗣に慣れた私としては、序盤の何でもないことでも伏線のように感じてしまって、随分と構えた姿勢で読んでたような気もする。肩透かしをくらった気分。玲奈がコカ・コーラを提げてるシーンが何度もあるけど、これも伏線だと思ってたw そうか、コカ・コーラか! と気付いたのは120頁ほど読み進んだときだった ̄|_|○  その後の、小説媒体のCMの違和感を消すのが苦労したw あとは、序盤では郡司と栗城の区別がつかなかったとか、それくらいか。


うん、でも、ラストは久しぶりに感動した。こういう感じが森博嗣だよなぁ、と再確認。Gシリーズも後半はこんな感じになってくれるとは期待してるけど、まあ今のところ感動はないですしねぇ。
あとは、120年間も機能を維持できる機械なんてない、って話はどこにいったんだろう、とか、真知家と山添家が双子を分けたって話も、母が双子なんだし1代上で繋がってるんじゃ? あ! もしやそれが今話題の男系女系か! とか。まあ細かいことですが。