TOY JOY POP
- 作者: 浅井ラボ,柴倉乃杏
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2006/08/29
- メディア: 文庫
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「つか、この演劇って盛り上がらないよ。はっきり言うと、この劇つまんなくない?」
「違う。そこの台詞は、自分が本気でつまらないと思っていて『この劇ツマンなくない?』 って発音だ」
役者の間に座っていた三年の片倉が、丸めた台本を叩く。
「違う。そこの台詞は、自分が本気でつまらないと思っていると観客に思わせたくて、『この劇ツマンナクなぃ?』 って発音だ、って指摘する演技をするんだ」
舞台袖のパイプ椅子に座る、二年の更科が冷静に指導する。
「違う。違う。そこの台詞は、自分が本気でつまらないと思っていると観客に思わせたいと思わせるようにして『この劇ツマンナクねぃ?』 って発音だ、って指摘する演技を指摘する演技をするんだ」
個人的にはけっこう楽しかったんですが、間違いなく人を選ぶ本。
序盤でいきなりシャム双生児が出たり、中盤の劇中劇見たことあるなぁどこで見たかなぁ、と思ったら実は「ロリの空」 改稿した文章だったとか、作者のブログで書いたことが出たりする、まあとっても遊んだ内容でした。「され竜」 でもよくある罵詈雑言の応酬は序盤でのみ見られますが、電車の中で読むと笑っちゃいけない効果でとってもイイ感じだと思います。ちなみに私はウンコガで耐えられなくなりました。
しかしそんなギャグだけでは捉えられないのがこの作者。格闘したり制裁したり心壊したり、と章ごとのテンションが全然違う。やっぱり休憩挟んでちょくちょく読んだのは助かったかな。いやそうしないと読めなかっただけですが。あとは色々と読者をダメダメにする話や難解な話を……とか思ってたら最後のページでそれを指摘されててしょんぼり。
と、ある種の話に目をつぶれば普通のライトノベル、しかも面白い方なのですが、そこはまあ色々と……、という本でした。その話も面白いのですが違う意味での面白さというか。お勧めはできないけどお勧め。
・浅井ラボ「されど罪人は 竜と踊る」第十二階梯 - 「TOY JOY POP」の真犯人(ネタバレ)
>(以下引用)
263 :イラストに騙された名無しさん :2006/09/15(金) 18:11:57 犯人わかったかも。 多分だが、ファミレスにいたカップル。 理由は148ページの男の会話と、フクが演劇前に言ってた凍死で女が亡くなった事件から。 つかよく見るとこの二人の描写が結構あんだよな。 まぁ俺ははじめ犯人はフクとザキだと思っていたわけだが 265 :イラストに騙された名無しさん :2006/09/15(金) 18:27:35 >>263 俺もそう予想。 ・カップルの名前はアイとユウキ。 ・各所で犯行をほのめかしてるっぽい。 ・良く読むとアイはなにげに援交の会合に顔を出してる。で、最後の「あの子のストーカーも退治できたしね」発言。 ・作者?のメタのメタ発言 ・そのメタ発言を受けてだが、最後の見開きで「これからも頑張ってやっていこう。アイとユウキの力で」発言。
<(ここまで)
あ、マジだ。そういや作者ブログでフーダニットとか言ってたな。