シフトⅡ ―世界はクリアを待っている―

再読。

そうだ。これだけどん底気分を味わえば、あとはもう笑うしかない。
くすくすと、祐樹は笑いだす。笑いがもれる。止めようとしても止まらない。そうだ、明日は水泳対決。今日のショックも覚めやらぬうちに天才さんと戦って、またもとことんやられるわけだ。なんていうタイミングのよさだろう。自分で決めたわけだから文句をつけるわけにもいかないし、これは確かに笑うしかない。サイオーがウマはドコ行った。
くすくすと、祐樹は笑い続ける。杏里の視線を感じて、枕に顔をうずめて。

シフトⅡは短編連作形式ではない、と書いたがスマンありゃウソだった。


初読よりは楽しめた……かな。「はじまりは罪の記憶から」 「ならばもうちょっと先へ」 とか、ラストの「前から話したかったことがあるんだ云々」 とか。うん。その辺もあって、第7話は良かったんだけど……5,6話はそれほどでもない。まあその2つはオチありきの話なので仕方ないといえばそうなんだけど。
前のときは「魔王と姫と勇者が現実で出会うとき……」 というフレーズに違和感を覚えて、というのもサラが姫だと思ってたわけだけど、やっぱり高嶋空が姫なんだなあ。それで言えばサラの位置づけが魔王-姫-勇者の三角形にどう割り込んでくるか、どんなイレギュラーとして入ってくるのかが気になるところ。