シゴフミ
シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)
- 作者: 雨宮諒,ポコ,湯澤友楼
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/10
- メディア: 文庫
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古本屋でキノⅩの隣に売ってた。発売が早かったとはいえ、正式発売日から2日しか経ってないというのは……。万引き少年か? とも思ったが、どうでもいいや。
「亜里沙ちゃん、人前で泣かないというのは強さの表れじゃない。素直に泣けないという弱さの表れだ。私は弱い人間だから、人前で泣くことがどうしてもできない。でも、君は違う。眩しく思えるほどの素直な強さを持っているのだから、泣きたい時には泣けばいい」
死んだ人が想いを綴った”死後文”を配達する少女と、その当事者たちの話。
なんとなく表紙に惹かれたものの、好評価でない感想を2つほど読んでスルー決定。そんな、古本じゃなかったら買ってないなあという「シゴフミ」 ですが、意外や意外、面白かった。
第1話は評判どおりというか、普通すぎる話。はいはいそれでそれで? という感じで第2話。相棒のマジックアイテム(喋ります) の語りから始まるのですが、二人して仮想盤で将棋をやってる*1 内に、「神の一手が降りてきた――」 と思考をスパークさせる辺りが面白かった。この、オチが分かった上での、マジックアイテムの圧倒的優位性を感じる精神状態をウォッチング。楽しい。
そして、まあ細部はともかくこんなもんか、うん、健闘したな、という感じで第3話。ここで見事にやられた。まさかこんなオチがあったとは……。漫画のクロマティ高校で
「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロはルート2、ではヒトナミニオゴレヤは?」
ピンポン!
「はい、林田さん」
「……わかりません」
「では、次の問題です。〜〜」
ピンポン!
「はい、林田さん」
「……さっきの問題の答え、今わかったんだけど答えていい?」
「駄目です」
に通ずるものが……ありませんかね。はい。ごめんなさい。これだけ長いこと書いといて完全に放置です。
まあとにかく、後の話になるにつれ面白くなっていった、ということで。次巻の予定もあるようだから、次は新刊で買おうかな。