影踏みシティ

影踏みシティ (竹書房ゼータ文庫)

影踏みシティ (竹書房ゼータ文庫)

読了。

リオの細い指先が、愛おしむように慶太の髪の中に潜り込む。
「未練だったんだろうね。本当は『こう、ありたかった』 って。そんな未練」
それは、あまりに哀しい言葉だった。『こう、ありたかった』。もし、そうなら、なぜ、どうして、『そう、できなかったのか』 のか……。

無価値な全てを捨てて、バイクで二人、旅に出よう――ユートピアがここにある、青春ロードラブストーリー。ろーどらぶすとーりーって語呂悪いですね。


うん、面白かった。たまにはこういう、負の感情のない和やかな話もいいですね。
バイクに乗ってる主人公は、傍から見てると一人だけなのに何やらぶつぶつ喋ってる、ってそれどこのキノの旅? とは、今考え付いただけで読んでる時は全然思いません。基本的にバイクで走っててその途中で出会う色々の話なんですが。
しかしあれですね。もう、リオが魅力的すぎる。これに尽きます。こんな二人旅ならしてみたいとか思えますが、バイクにずっと乗ってるのって疲れるよなあ、なんて行く前から弱音吐く時点で駄目ですか。