ひかりをすくう

ひかりをすくう

ひかりをすくう

読了。次は空色ヒッチハイカーか。

父を受け入れることなど、できるわけがなかった。
「どうしてうまくいかないんだろうね」
長く伸びる線路の向こうに電車が見えてきたころ、姉の口からそんな言葉が漏れた。
「血なんて繋がってないほうがいいのかもしれないね」

作者の自伝的な要素があるとか。


正直流れ星の方が面白かった、というのはあれだろうか。そっちのほうが分かりやすい題材だったからか。それとも、こっちはエンタテインメントが薄いだけか。今回は仕事とか自分の限界はどこかとかそんな序文。
きっとまだ、私が読むには時期尚早だったように思う。主人公は仕事に精を出して働いて働いてその挙句にパニック障害に罹ってしまい、仕事を辞めて都会から田舎へ脱け出して……「頑張らないように頑張る」 と決めて暮らしていく。
これは、必死に頑張ったことのある人が読めば感じ入ることもあるんだろうけど。うん。まだ早い。仕事に精を出して働いて働いて、ふっとこの本のことを思い出したらもう一度読んでみたいと思う。


余談。
作中でピルケースから薬を取り出して飲むくだりがありますが、ピルの入った箱と思ったので「ええ!? そんな展開!?」 とか思って無駄にドキドキしてました。