タクティカル・ジャッジメント2 気まぐれなサスペクト!

読了。何年か前に「こんな私にお勧めの小説を教えてスレ」 とか何とかで勧められた本。

『そ、それがどうしただと?! ひ、一つ忠告しておくが、あまり調子に乗らないことだな。こちらとしては――』
『早く額を言えよ。時間がもったいねーだろ』
受話器の向こうからはっきりと舌打ちする音が聞こえた。
『一二〇〇ま――』
がちゃん。
再び俺に二人の視線が集中する。特に雪奈の表情には戸惑いがありありと出ていた。こんなのはまだまだ序の口だぞ――とは言えない。

自称・狡猾であくどい弁護士山鹿が、絶望的な状況から逆転無罪を勝ち取るシリーズ第二弾。


いやあ面白い。1巻の時はそれほどじゃなかった気もするけど、今の私にちょうど良いレベルなのかも。こう、ギリギリ気がつかないラインのミステリというか。そんなところに盲点が! 抜け道が! の連続でした。いやあ面白い。ニヤリとさせられます。
あとは、そうですね。嗜虐趣味というか、警察から検事から証人に至るまでをいじり倒す山鹿が爽快かな。鬼! 悪魔! なんて言われるだろうな、と自覚しつつ徹底的に揚げ足を取るところなんか、見てて気持ちがいいくらい……って何だかアレな人みたいですが。


余談。
事件が起きた時、直感的に「父・五郎が殺人を行った子供には遺産が払われない、ということをそれとなく七郎に知らせて、七郎が自分を殺して六郎に罪をなすりつけることを予期した上でわざと殺され、山鹿に真相を解いてもらい逆に七郎が捕まることで遺産が全て六郎に渡って円満解決」 みたいなことを考えましたが、さすがに突飛すぎましたか。いや、これだったら本当に凄いとは思ってましたが。