タクティカル・ジャッジメントSS3 善行くんの弁護士養成講座

読了。

俺の仕事も一応無事終わったと認められ、百万もの成功報酬が支払われ、再び三食昼寝付きの生活へと戻った。当分は仕事をしなくても暮らせるだろうし、そもそも当分は何もする気力が起きそうもない。
俺はこの事件で一体何をしたのか。
ふと考えると、自分がとても滑稽に見えてくる。

山鹿はとある高校に新米弁護士として講義をしに行く羽目に――副題を含めた4つの短編集。


短編集で唯一の欠点は、雪奈が一切出てこないということか。まあそういうのは本編で使うネタなんだろうけど。
まあギャグ短編は普段どおりの出来だったので特筆することもなく。その代わり、最後の書き下ろし短編「影野君の不遇な日々 不幸で非情な失恋(ハードラック・ハードボイルド・ハートブレイク)」 が副題通りのほろ苦い話で、これがなかなか良かった。ま、ありきたりと言えばそうなんだけど。心臓にナイフが刺さる場面は実にビター。そしてあとがきの最後の「どんまい。」 が軽すぎで笑った。