こちら、郵政省特別配達課!

読了。

「そうかしら。灘さんはわかってるんじゃないですか?」
慧が笑って灘の顔をのぞき込む。
「でなければ、こうやって同行したりしないでしょう」
「わからないよ」
「わかりたいんでしょう。それでいいと思います」

過去に刊行された2冊を合本した作品。


「老ヴォールの惑星」 が非常に良かったので読んでみたんだけど、どうもベクトルが違った。まあまあではあるけど、期待はずれ感は否めない。面白くなかった……という意見には概ね賛成だけど『いや、でもちょっとは面白かったし』 と弱気に反論するくらいかな。
民間では出来ない配達でも無理矢理やってしまおう、として創設された特別配達課。届けるのは家や馬だったりワクチンだったり、届ける先は吹雪く山中だったり……。いつでもどこでも運びますよ、な話。
家に40万円の切手貼ったり馬を輸送する話のオチが間に合わなくて場外から乱入だったりして「えええ」 といったところもあったけど、水無川長官の絶望と空腹のきび団子の話とか、良い雰囲気だったのに横槍が入るとすぐに後回しにする鳳一とそれにやきもきする美鳥とかが印象的だった。