スイートホームスイート3 錯綜のフリューゲルト・レポート

読了。次が最終巻だなんて。打ち切りなのか。残念。

「俺、この国に親しい人いない。それはとても淋しイ」
カタコトの言葉は、ボキャブラリーの少なさも相まって、自然、ストレートな表現ばかりになる。
淋しい。
日本語だったらそうそう誰にも言えないような言葉が、このとき、つるりと俺の喉を割って出た。
そうか。
俺、淋しかったのか。

突然連れてこられた先は外国でお化け城で19歳の曾祖母がいて、な話の第3巻。テレビの取材を受けることになったフリューゲルト城。


前回の強烈なラストでどうなるんだ次は!? って思った場合は、えてして拍子抜けな展開が待ってたりするけど、その例に漏れず話は二ヵ月後に飛んでたり。終わってから考えても、別に1日後1週間後の話でもよくね? と思った。
今回もまあ所々の面白さは健在。そしてアデル問題に対する一彦の気持ちの揺れ方が楽しい。いやもうドキドキでしたよ。しかしそのドキドキの余韻に浸る間もなく、新たな展開で最終巻への引きがあったりして、なるほど風呂敷広げてるなあ。次で終わるための、畳むために広げる感じ。
それにしても、頭に浮かぶ人物像とイラストの差がいつもかっこいい方向に行くのが不思議。ロルフとセルゲイが予想外にかっこいいんだよなあ。貧困な想像力というか、ボキャブラリというか。