ときむすび

ときむすび (ファミ通文庫)

ときむすび (ファミ通文庫)

読了。

「……なんかの話?」
真衣亜は明るめに答えた。
「たとえばだよ。たとえば」
洵子は怪訝そうにしている。真衣亜はあえて続けた。
「いろんな人が不幸になるくらいなら、少しでも誰かに幸せになってもらわないと。」

千波タクトは、幼馴染の真衣亜の好意を知りつつもその姉の果璃絵に思いを寄せていた。しかしある時、果璃絵の様子がおかしいことを知った二人はその訳を探り始める。青春モノと思っているといつの間にか……なお話。


もやもやっとしたものが残るけど、これはなかなか面白かった。過去の”何か”が見え隠れする中で、伏線とミスリードをばら撒きにばら撒く。そして後の複数視点による事態の並行展開が、否応なしにその”何か”への不安感を掻き立てる。
ただそんな複雑さもあってか、流れに違和感を感じた。いや、私が読み間違えただけかもしれないけど*1。ただ、(重要ネタバレ)手を振ったせいで車が崖から落ちたって言ってるけど、本人が運転してるならまだしもタクシーなら関係なくね? 雨だから運ちゃんが見てたわけでもないし。(ここまで)は誰か明確な指摘をプリーズ。

*1:実際ある会話で喋ってる人が逆だと思ってた。そこが逆だと結構ラストが変わってくるんだが……。